Creation
100年以上前の品物を修繕し、また後世につなげていくことを使命としていますが、そのような仕事をしている中で、自分の作品への取り組みにおいても学ぶことはあまりに多く、作品への追求には限界はないということを思い知らされます。
「美術工芸」と呼ばれるものの価値とは一体何で決まるのでしょうか?手で作ること、その技術のみに価値があるのではありません。また、短絡的な思いつきからくる表現でもなく、そして表現や美しさだけを追求する美術品でもありません。技術、表現への深い理解と美しさ、道具としての機能、それら全てを一つの作品の中に融合させる工程にこそ、作家が持つ固有の感性が現れるのであり、唯一無二の価値を持った工芸作品になっていくのだと感じています。